現在、オンラインを中心とした新入社員研修が各部署で進行中!本記事では企業のコアビジネスを技術力でサポートするITソリューション事業(ITS事業)部門配属のITスペシャリスト職84名が挑む、エンジニア研修を取材。前回レポートした「ビジネス・ヒューマンスキル研修編」に続く第2弾、「テクニカルスキル研修」をレポートします!
- 研修は、オンラインと対面を組合せ、安全を考慮した十分な距離を確保し、感染予防策を講じた上で、開催しています。
- 本ブログ内の一部写真は、撮影のため一時的にマスクを外しています。
今年度のテクニカルスキル研修はインフラ/システムエンジニアに必要な「ITリテラシー研修」と、アプリ開発に必要な「アプリ開発基礎研修」の2コースに分かれてスタート!
まずは研修の全体設計やゴールを、ITS教育チーム担当・森際(もりぎわ)さんに聞いてみました。
ITS事業企画本部 ITSHRM部 ITS人財開発G 森際さん
―――ITS事業とはどんなことを担い、また新入社員へどのような研修をされるのですか?
「ITS事業部門にはインフラエンジニア、システムエンジニア、アプリ開発エンジニアが在籍し、主にKDDIが提供する社会を支える通信インフラ基盤の設計・構築・運用・保守・監視・テクニカルサポート、またKDDIのビジネスを支える基幹システム・業務系システムなどの設計・開発・運用といった、エンジニアが担う必要のある業務領域のお仕事をしています。
本年度の新入社員向けテクニカルスキル研修では、担う業務領域により求められる基礎スキルが異なるため、インフラエンジニア・システムエンジニア向けの『ITリテラシー研修』と、アプリ開発エンジニア向けの『アプリ開発基礎研修』に分けて実施しています。」
―――2つの研修コースがあるのですね。ちなみに、どのように受講するコースが決まるのですか?
「採用選考時に、志望動機や5年後10年後になりたいエンジニア像、その実現に向けた取り組みをお聞きしています。また入社前に事前面談やスキルチェックを実施させていただき、それらを総合的に鑑みて受講コースを決定しました。」
―――では、どのようなカリキュラムなのかを教えてください!
「まず全体を通じて『自ら考え、自ら学び、自ら行動できるエンジニアを目指す』というテーマを大事にしています。ただインプットをしてひたすら暗記する。のではなく、手を動かしてアウトプットを行える課題を用意しております。、上手くいかない体験をすることで、「なぜ?」が生まれ、それを解決するために、さらなる学びが必要だと気づき、また手を動かす――。こういった一連の行動を能動的に行っていけるようなカリキュラムを目指しています。
私はもともとネットワークを担当するインフラエンジニアを経験しておりましたので、2つの研修コースのうち『ITリテラシー研修』の企画を担当しています。『アプリ開発基礎研修』は開発エンジニアの経験を持つ同じグループに所属する山城(やましろ)が担当しておりますので、そちらへ是非インタビューください。笑
『ITリテラシー研修』では、Officeソフトの基本操作から始まり、エンジニアとして成長していくために欠かせないアウトプットの重要性や実施の仕方を学びます。また、システムの基盤となる、ネットワークとサーバの基礎技術を仮想環境と実機演習を交え、トライ&エラーを繰り返しながら習得していくスタイルで実施していきます。
終盤では自分で調べられないと進められない演習課題もあります。『自身で考え、調べて、読み解き、理解し、解決していく必要』があるわけです。そういった課題を通して、ITリテラシーを身につけていける、そんな研修カリキュラムとなっています。
正直、初めてネットワークやサーバに触れる方からは「難しい…」という声もあがったりします。ただ、ITに強い関心・興味をもって入社いただいているみなさんですので、2か月経つ頃には、全員が一人前に慣れた手つきでコマンドが打てるようになっていきます。また演習の中では、グループワークや振返りも多く行っていきますので、同期の仲間と確認しあったり教え合ったりし、切磋琢磨しながら進めていけることも習得を早める大事なポイントだと考えています。ここは当研修カリキュラムを考えるうえでの肝でした。昨年はコロナ対策が十分ではなかったため、20年度の新入社員へはそういった機会を思うように提供できませんでしたが、昨年の経験を活かし、研修を構築していく講師陣(深井さん、継田さん、中里さん、堀江さん)がさまざまなアイデアを出してくれたことで、本年度は十分な対策を実施し、こういった機会を創出することができました。限られたリソースの中で、無理難題に真摯に向き合い、対応いただいた講師陣の仲間へは感謝の気持ちでいっぱいです。」
オンライン・リアル問わず、グループワークを通じて振り返りを行いながら、切磋琢磨!
―――変化のはげしいIT業界に身を置くためには、興味は本当に必要ですよね。“知的好奇心”ってやつですね!ちなみに、研修ゴールは何か設定されているのですか?
「本年度のITリテラシー研修のゴールは、配属の段階で新卒社員全員が仕事のスタートラインに立つための基礎中の基礎となりますが、とても大事なことである『マニュアルや業務手順書を見れば業務を遂行できる力を身につけること』です。技術分野ごとに、定期的に当社独自の“スキルチェック”を行うことで、自分のレベルを常に把握し、未到達の項目を重点的に取り組みながら進めていくことができます。
トレンドで最先端と言われるかっこいい技術も、基礎があってこそ、その技術の本質を理解し、応用できると考えています。基礎があって初めて仕事が与えられる世界です。新卒社員の皆さんには、あせらずしっかりと基礎を身につけ、実務で経験値を積み、そして応用的な技術活用ができるエンジニアになってほしいと願っています。
また、ITスペシャリスト職のエンジニアが活躍する主なフィールドであるKDDIの事業領域は幅広いため、さまざまなベンダーや、パートナー企業、そしてKDDIや当社の社員が協働して一つの仕事を成し遂げます。そのような環境下でも、周りに信頼され活躍するエンジニアになるためには、スキルの習得はもちろんですが、学ぶ姿勢、周りに感謝するマインドや、自ら行動しながら“ライン際のボールを拾う”ような仕事を見つけたり、実績を積み重ねながら信頼を得ていくことも重要です。スキルを磨くことも重要ですが、周りから信頼されるエンジニアになってほしいと研修の折に触れて伝えるようにしています。」
―――森際さん、有難うございました!では、実際の研修を見てみましょう~!
エンジニアの卵が挑む、ネットワーク研修 “実機デビュー”の日をレポート
拠点のエントランスには“エンジニア募集”の広告ディスプレイが光ります♪
講師はITS事業企画本部ITSHRM部ITS人財開発G 堀江さん
オンラインでのネットワーク基礎研修が続く中、この日はいよいよ実機を使っての研修!ということで、新卒エンジニアのみんなも少し緊張の面持ち…。今回取材したチームは、その大半が「実機を触るのは初めて」ということもあり、慣れない手つきで実機をセットアップしていました。
最初の演習では、ゲートウェイに設定するIPアドレスを算出してルータにコンフィグを設定、ルータを介してPC間のPingによる疎通確認ができればゴールです!「オンライン研修で行っていた、ルータベンダーの演習ツールでは一通りこなせていたが、実機でやってみると物理的にも接続しなくてはならず勝手が全然違う!」と苦戦している人もしばしば。それでも講師の解説にメモを取りつつ、ペア同士で意見を出し合いながら、だんだんとレベルアップしていく演習を乗り切り、無事全員が実機デビューのミッションをクリアしていました!
ペアになって協力しながら設定に奮闘!うまく疎通がとれた時は「できた~!」と歓声も
続いて、アプリ開発エンジニア向け「アプリ開発基礎研修」のカリキュラムである“AWS研修”“オンボーディングワーク”に潜入!
まずは、今年度初めて実施するという「アマゾン ウェブ サービス」(以下、AWS)の研修を取材。講師のITS人財開発G・継田(ままだ)さんにAWS研修を実施する理由を伺うと「KDDIの開発現場ではプロダクトやサービスの特性に応じてアジャイル開発を行っています。そのような現場ではAWSなどのクラウドサービスは不可欠な知識であり、この研修では、まずはAWSが持つさまざまな機能や必要なサービスを一通り学ぶことをゴールにしています。AWSに限らず、開発プラットフォームの進化は止まりません。このような研修を受けることも必要ですが、新卒社員には日ごろから発信される新たなテクノロジーの情報をキャッチアップする習慣を身につけるようにして欲しいです」とのこと。
講師の継田さんは、ITSエンジニアの自発的な勉強会である「エボルバカレッジ」でも講師をつとめる
コンピューティング、ストレージ、データベースなどのインフラストラクチャテクノロジーから機械学習、AI、IoTなどの新しいテクノロジーにいたるまで、豊富な機能を持つAWSは常にアップデートが行われるため、最新情報を動画ラーニングで学習しながら、講師が解説するスタイルで講義が進行。実際にAWSを使ってWebサービスを構築する演習では、試行錯誤を繰り返しながらもうまく構築ができると「おぉーー!やっとうまくいった!」と歓声があがっていました。
続いて取材したのは、「オンボーディングワーク」という、海外で発祥した「企業情報の提供」や「価値観の共有」を意図とする研修で、テクニカルスキル研修とは別に2日間行われもの。今年度初実施とのことで、アプリ開発基礎研修プログラムの企画を担当している、ITS人財開発Gの山城(やましろ)さんにオンボーディングワークについて話を伺いました。
■「働く=ライスワーク」ではつまらない! オンボーディングワークを行う真意を企画担当者に聞いてみた
「何のために働くのか――。これは社会人なら誰しも一度は考えることですが、ほとんどの人が『お金のため』と答えるかもしれません。もちろん、ライスワークと例えられるように、お金のために働くことは大事なことなのですが、ただ淡々と稼ぐために働くのでは日々つまらないし、モチベーションも上がらないですよね。新卒エンジニアたちには、日々楽しみながら価値ある仕事をしてほしいと思います。そのためにもっと深く「KDDIエボルバのエンジニアとして働くこと」について考える“きっかけ”になればと、この研修を企画しました。
ITS事業企画本部 ITSHRM部 ITS人財開発G 山城さん
研修では2日間に渡って、ITの誕生から業界の変遷、最新のテクノロジーまでを紐解く「業界理解編」と、KDDIエボルバについてさまざまなフレームワークを使って理解する「自社理解編」を行います。このワークを通じて、業界や自社のポジショニング、顧客への提供価値について学び、自分たちが提供する「エンジニアの仕事の価値」について考えてほしいし、“価値のある仕事とは何か”を常に意識し、目線を高くもちながらやりがいのある仕事をしてほしいと思っています。」
―――山城さん、有難うございました!では、「自社理解編」実際の研修を見てみましょう~!
■5年後のKDDIエボルバとは? オンボーディングワーク~自社理解編~をレポート!
この日の研修はKDDIエボルバの事業所がある飯田橋・ガーデンエアタワーで行われました。まずは、ビジネスの市場環境を分析するマーケティングフレームワークである3C(自社、競合、顧客)分析を用いて、自社を分析します。
3C分析のポイントとして、競合を導き出す際はいわゆるライバル企業だけではなく、“間接的競合”まで考えることが重要とのこと。自社のプロダクト・サービスがアプローチしようとしている“ニーズ”を顧客はどのような方法で満たしているのかをリサーチし、他社が行ってなく自社が優位性を発揮できる方法を模索することが、より深くビジネス成功の要因を考察するポイントとのこと。
グループの発表では、3C分析をふまえ、KDDIエボルバがとるべき5年後の事業戦略を各チームが予測。AI技術を用いたさらなる顧客体験の向上や、BPO事業の進化など、エンジニアならではの技術的な視点をふまえた提言が出ていました!最後に講師からは「次なる戦略やビジネスジャッジをするためには、自社を知り、市場を知り、競合を知ることが重要。変化の激しいこれからの時代は、エンジニアにとってもこのようなビジネス的な視点が不可欠です。重要なのは“受け身”ではなく“積極的に自ら行動すること”。そのことで皆さんの成長とチャレンジの幅は大きく変わっていきます」と伝えました。
次回は~エンジニア研修総括編~を7月に公開予定。乞うご期待!
●研修レポート vol.1:ビジネス・ヒューマンスキル研修編
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