コロナ禍によるEC・通販の利用増加に伴うユーザー行動が変化する中、KDDIエボルバが調査した「企業とお客様とのコミュニケーション実態2021」の結果、問合せの前に自己解決を試みた方が84%存在する一方で、それらコンテンツが不十分と体感した方が6割以上存在していることがわかりました。例えば、情報収集などで自己解決を試みたものの「理解できなかった(31%)」「知りたい情報ではなかった(15%)」「解決チャネル・コンテンツを見つけられなかった(19%)」など、企業のカスタマーサポートには改善の余地があることがわかっています。
本ニュースでは、KDDIエボルバとPRAZNA社※1の共催オンラインセミナー「”攻め”のFAQが顧客接点を変える(2021年8月5日)」の一部内容をレポートとして公開いたします。
講演者 写真右上:(株)KDDIエボルバ サービス推進本部営業推進部 部長 蓬田 玲子
講演者 写真右下:(株)PRAZNA ソリューションビジネス本部事業推進部アライアンスグループ 主任 村越 寿夫氏
今や、ネットショッピングとネット社会における非対面サポートの利用は当たり前の時代になりつつあります。特に、KDDIエボルバ調査では「ユーザーが問合せをした業種・業界」の約5割が非対面サポートの多い「メーカー・通販」となり、前年の約3倍に急伸したことがわかっています。
しかし、非対面サポートの利用が進んだ結果、自己解決しようとEC・通販サイトやメーカーWebサイト、FAQ等で商品やサービスを調べている内に面倒になって購入をやめた方が55%存在することも明らかになっています(図1)。つまり、Webサイトに流入したユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョンアップ(CVアップ)につなげる「非対面サポートの拡充=自己解決ニーズに応えて商品・サービス購入に進める」攻めの姿勢がこれまで以上に重要になっていると言えます。
図1.情報収集の途中で購入をやめたことがあるか/出典元 KDDIエボルバ「EC・通販ユーザー動向2021」
プロフィットとCX向上につながる攻めのFAQに必要な5要素
非対面サポートの要は「自己解決できる環境」の提供になります。その一つの方法論にFAQページの構築・改善が挙げられますが、FAQシステム導入は、「ユーザーの疑問解消だけに使うもの」「コストがかかる」「Webサイトに設置すればOK」といった誤解から、効果的な活用に至らないケースがあります。単にFAQをWebサイトに作成してもユーザーの検索キーワードにヒットしない、ニーズに合わせた最新化が図れていないFAQは自己解決につながりません。“攻め”のFAQ構築する際には5つの要素を備えたFAQシステムの選定と運用サイクルをまわすことでユーザーの自己解決を実現し、CX向上と売上拡大、コンタクトセンターの業務効率化とコスト最適化に効果がでます。
1.企業特性にあわせた用語の辞書登録機能と日本語に特化した言語理解エンジンがある
2.カテゴリから質問を選択できる問診型(ウィザード)FAQがある(図2)
3.テキスト以外にも画像や動画でアンサーページが作成できる
4.FAQのログ・アクセス状況から次の一手を検討できる分析・レポート機能がある
5.チャットボットや問合せフォーム等の非対面サポートと連携可能な機能がある
図2.問診型(ウィザード)FAQイメージ/出典元(株)PRAZNA「OKBIZ. For FAQ」
これら要素を備えたFAQシステムの正しい選定と活用、最新情報を反映して効果的な運用サイクルを回すことにより、ユーザーニーズを可視化した品質の高いカスタマーサポートの提供とCV率アップで売上拡大につなげることが可能です(図3)。セミナーでは、(株)PRAZNAの クラウド型データベース「OKBIZ.For FAQ」導入企業2社の売上拡大と自己解決推進の成功事例を2つ紹介しました。
case1.攻めのFAQでニーズを可視化、CVR6.1倍で売上拡大
EC・通販サイトでのユーザー行動は「不安の解消」を目的としたものが多く、注文・支払い方法、キャンセル・返品・解約など不安要素を解消するためのFAQ(よくある質問)検索が多くなっています。通信講座会社様の例では、「OKBIZ. For FAQ」を導入し、閲覧の多いFAQやサイト内のユーザー行動を分析した結果、支払い・返品・解約にかかるFAQを確認してから注文や資料請求に進んでいることが判明したため、不安要素解消につながるFAQから申込ページにユーザーを誘導する構成にしたところ、ページの離脱を防ぎ、コンバージョンレート(CVR)が6.1倍にアップしています。不安要素の解消ができる情報・コンテンツを見つけやすい位置に配置し、購買行動にあわせた導線設計が売上拡大に有効に働くとともに、カスタマーサポートの飛躍的な向上につながることがわかります。
case2.FAQの活用で守りの問合せ削減から攻めの収益拡大へ
問合せの削減と、将来的の攻めのサポートを課題にした石油系クレジットカード会社様の例では、「OKBIZ. For FAQ」を導入し、問合せの多いカテゴリに絞ったFAQ分析により会員の関心やWebない行動パターンをつかんだFAQ改善と、メール問合せフォームへのFAQリンク設置等をPDCAサイクルでまわした結果、インターネット操作に慣れた会員が多いことがわかりました。この事実をもとにFAQを強化し、月間数万件の入電を前年対比で約5%削減、メール問合せを40%削減につなげています。守りから入った問合せ削減の後は、FAQで会員の不安要素を解消し、FAQのアクセスログからも抽出したニーズに基づいた契約意欲向上につながるページ構築など、新規会員獲得や取扱高の拡大といった「収益の拡大」に取り組んでいます。
図3.ユーザーニーズの可視化イメージ/出典元(株)PRAZNA「OKBIZ. For FAQ」
本ニュースでは「FAQ」にフォーカスしましたが、セミナーでは、事例を交えて自己解決の先に求められる高度化した有人対応やCX向上の方法論も解説しています。セミナー本編の動画と資料を公開していますので、ぜひご活用ください。
また、方法論や仕組みは理解しても自社での実践が難しいケースも多くございます。KDDIエボルバではアセスメント・コンサルティングサービスで業種業界を問わずあらゆる企業様のコンタクトセンターの課題・問題点の抽出から改善施策の提案・実行まで幅広くお手伝いいたします。本ニュースで紹介した「OKBIZ.For FAQ」の運用改善やチャットシステム連携なども承っております。お気軽にご相談ください。
本セミナー紹介「企業とお客様とのコミュニケーション実態2021」はこちら
本セミナー紹介「EC・通販ユーザー動向調査2021」はこちら
- 1. 株式会社PRAZNAは、株式会社オウケイウェイヴから2021年6月30日に新設分割した新設会社で、OKBIZ. for Community Support、OKWAVE GRATICA を除くソリューション事業を承継しています。
「OKBIZ.」ソリューション詳細:https://www.okbiz.jp/
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