株式会社KDDIエボルバで働く陸上競技アスリートの菅野新菜選手(所属:幸 満つる郷 KDDIエボルバ 野蒜、仙台市クラブチーム「みやぎTFC」)が、国際知的障がい者スポーツ連盟(Virtus)が運営する総合国際競技大会「2022 Virtusオセアニア・アジアゲームズ」(会期:11月5~11日、開催地:オーストラリア・ブリスベン)に「T20女子200m」および「T20女子400m」の日本代表として出場し、2種目とも見事、銀メダルを獲得しました。
<写真左:開催地での写真 写真撮影・提供:日本知的障がい者陸上競技連盟/写真右:「幸 満つる 郷 KDDIエボルバ 野蒜」で銀メダルを手に喜びの報告をする菅野選手>
「2022 Virtusオセアニア・アジアゲームズ」は、「スポーツを通じてすべての人が包摂される世界」を大会のビジョンに掲げた知的障害を持つアスリートのための国際的な大会で、陸上競技のほか、バスケットボール、柔道、水泳、テニス、卓球など、全12競技が実施され、23か国・地域、数百人のアスリートがオーストラリア・ブリスベンに集いました。本大会のオセアニア・アジア地域での開催は今回が初となります。
菅野選手は、日本代表選手団として11月4日に現地入りしました。日差しが強く差し込む現地は、日本よりも気温が高く、コンディションを整えるのが難しい環境にありましたが、最終調整を行い、順調に予選を通過。
11月9日「T20 女子400m」決勝、11月10日「T20女子200m」決勝に出場し、2つの銀メダルを獲得しました。なお、「T20女子400m」は自己新記録更新タイムでのゴールとなりました。
●菅野選手「2022 Virtusオセアニア・アジアゲームズ」での記録
11月9日 菅野新菜選手(KDDIエボルバ・みやぎTFC)400m銀メダル 59.86(秒) ※自己新記録 11月10日 菅野新菜選手(KDDIエボルバ・みやぎTFC)200m銀メダル 27.09(秒)
■今大会を振り返って――。菅野選手に喜びの声をインタビュー
●日本代表に選出されたときはどのような想いでしたか?
初めてジュニアではなく、シニアで日本代表に選出されたので驚きと同時に嬉しかったです。日本代表では、普段練習を見ていただいているコーチについていただけないことと、世界の速い選手の中で、自分が速く走れるか不安もあり、すごく緊張していました。ただ、コーチにも「全力が出せたら大丈夫!」と背中を押してもらい、自分を信じて頑張ることができました。
●今大会の素晴らしい結果について、感想を聞かせてください
最初の決勝種目となった400Mでは、ゴールしたあとに日本代表のコーチから「自己新記録が出た!」と声をかけてもらったときに、ずっと不安だった「タイムが出なかったらどうしよう・・・」という思いが消え、その後の200Mも全力を出すことができました。ブリスベンに着いてから、ずっと緊張が続いていたので、大会が始まって一番ほっとした瞬間でした。
●現地でのエピソードを教えてください
大会中のブリスベンの気温は日本よりも暑かったですが、日本の暑さとは違い、カラッとした暑さでした。暑いのは苦手ですが、時折気持ちのいい風が吹いていました。ほかの日本代表選手とも、陸上の練習内容や好きな食べ物、仕事の話などでコミュニケーションをとっていました。競技前までは緊張が続いていましたが、競技が終わって最終日の昼食に食べた手のひらサイズのボリューム満点のハンバーガーがとても美味しかったです!
●今後の目標など教えてください
今大会を終えて、さらに課題も見つかったので、まずは冬の練習をコツコツと頑張ろうと思います。少しずつタイムを縮められるよう頑張っていきたいです。今回、どちらの出場種目でも1位となったインドの選手をライバル、目標にしながら日々頑張っていきたいと思います。
<日本代表選手たちと菅野選手(写真右から2番目)写真撮影・提供:日本知的障がい者陸上競技連盟>
■宮城県スポーツ賞を7度受賞、今は「幸 満つる郷 KDDIエボルバ 野蒜」で活躍中
子どもの頃からカラダを動かすのが好きで、ご家族の勧めが後押しになって中学1年生で陸上を始めた菅野選手。翌年からは全国大会に出場するほどに成長!その後、日本知的障がい者陸上競技連盟の2019年強化指定選手に選出されるなど、国内トップクラスの記録を持つ陸上競技選手(400m)として活躍し、令和3年度宮城県スポーツ賞「功績賞」を受賞しています。国際大会では、2019年にスイスのノットヴィルで開催された世界パラ陸上競技ジュニア選手権大会の400mで1位になるなど、海外の大会でもその実力を発揮してきました。
2020年4月にKDDIエボルバに入社し、障害者雇用と地方創生に取組む農産物栽培拠点「幸 満つる郷 KDDIエボルバ 野蒜」で、農産物栽培業務に従事しています。現在は、無農薬で育てる看板商品「ミニトマト」を栽培するチームの中心的な役割を担っています。仕事終わりにトレーニング・練習に励むなど、仕事とアスリートとしての活動を両立しながら、日々努力している菅野選手を間近で見ている「幸 満つる 郷 KDDIエボルバ 野蒜」のメンバーも、今大会での活躍を祝福し、菅野選手にメダルを見せてもらいながら、皆で喜びを分かち合いました。
菅野選手の活躍は、わたしたち従業員全員の励みにもなっています!これからも菅野選手を応援しています!
<主な大会記録>
・2022年11月 2022 Virtusオセアニア・アジアゲームズ T20女子200m 2位、T20 女子400m 2位
・2022年6月 WPA公認第27回日本ID陸上競技選手権大会 T20 女子200m 2位、T20 女子400m 優勝
・2022年5月 WPA公認2022ジャパンパラ陸上競技選手権大会 T20 女子200m 2位、T20 女子400m 優勝
・2021年4月 WPA公認2021ジャパンパラ陸上競技選手権大会 T20女子200m 優勝、T20 女子400m 2位
・2021年3月 第32回日本パラ陸上競技選手権大会 T20 女子400m 2位
・2020年10月 第7回木南道孝記念陸上競技大会T20女子400m 2位
・2020年9月 第31回日本パラ陸上競技選手権大会 T20女子400m 優勝
・2019年8月 世界パラ陸上競技ジュニア選手権T20女子400m 優勝
・2018年10月 第18回全国障害者スポーツ大会400m 優勝
■「幸 満つる郷 KDDIエボルバ 野蒜」 について
幸満つる郷は、東日本大震災の大津波被害で埋まった石や瓦礫を手で一つひとつ取り除き、海水が染み込んだ土を入れ替える土壌づくりから始まりました。地元の障害者とアクティブシニアを社員に迎え、自然再生・生物多様性保護に配慮した無農薬にこだわった農産物栽培を通じて、地域活性化イベントや試食販売会などで多くの方々に「安全な食」をお届けしている他、復興支援につながる植樹活動や農業体験地の提供などにも取り組んでいます。
今後もKDDIエボルバは、これからもアスリート社員をはじめとした挑戦しつづける人たちを応援し、多様な個性や価値観をもつ全ての社員が、働く意欲を感じながら、イキイキと働ける環境整備に継続して取組み、ダイバーシティ推進と持続的な成長を目指しながら、よりよい未来をつくってまいります。
●KDDIエボルバは、豊かなコミュニケーション社会の実現を目指すSDGs活動として、働き方改革・ダイバーシティ・健康経営を推進し、イキイキと働くことのできる魅力ある職場環境の実現に取り組んでおります。