KDDIエボルバの農産物栽培拠点「幸 満つる郷 KDDIエボルバ 野蒜(以下 幸満つる郷)」で、3年ぶりとなる新入社員研修を実施。事業とダイバーシティへの理解、研修期間で学んだことを活かす体験学習の機会として、総合職の新入社員が3グループに分かれ、1泊2日の実習と学びを活かしKDDIエボルバで実現可能な社会貢献活動を提案する研修発表会に挑みました!
■よりよい未来につなぐため、被災跡地で復興を目指す東松島市の取組みを学ぶ
宿泊研修1日目は仙台センターと、震災の遺構と復興を学ぶ『東松島市震災復興伝承館』を見学しました。東日本大震災で甚大な被害を受けた、宮城県東松島市・野蒜(のびる)の地。「幸満つる郷」のほど近くにある『東松島市震災復興伝承館』では、津波の威力でゆがんだ線路や折れ曲がった柱などが震災遺構として残されている旧野蒜駅プラットホームを訪れました。震災当時の記録映像を視聴し、東松島の人々がどのような経験をされ、どのような行動をとったのかを学び、いつ起きてもおかしくない大震災をよりリアルに感じていました。
<展示や映像、時が止まったままの震災遺構を見学し、今起こりうる震災の脅威を実感しました>
「幸満つる郷」で行われた溝江所長の講話では、震災跡地を開拓し、津波被害を受けた野蒜地域の復興支援につながる地元の障がい者雇用創出や、地域で採取した種子を苗木に育て植樹する自然再生活動への参画等の地方創生・SDGsの取組みを紹介。
社員からは「なぜ農業を会社として選択したのか」「スタッフへの配慮やチームマネジメントの仕方について」「スマート農業への取組み」など多くの質問が挙がり、「幸満つる郷」設立への想いを知り、この事業が果たしている社会的な意義を学びました。
■ 農作業体験にチャレンジ!フレッシュな力が野菜づくりの戦力に!
2日目は農作業体験に初挑戦!天候にも恵まれ、日よけの帽子とジャージに身を包み、慣れない長靴を履いて準備万端!Aチームは、翌日に仙台で定期開催している産直野菜マルシェの出荷準備を行うため、大根、ラディッシュ、リーフレタスの収穫と袋詰め作業を行いました。丁寧に育てた野菜を傷つけずに収穫する方法を「幸満つる郷」の先輩社員に伝授してもらいながら合計約200パック分の出荷作業を進めます。
最も苦戦したのはラディッシュの袋詰め。袋に規定量の5本を上に2つ下に3つ、バランスよく入れるのは難しい!時には失敗して折れたり、あまりに手こずって葉っぱが少ししおれることも・・・。その後も同期同士、互いにうまくいくやり方を共有しながら、出荷数をクリア!「幸満つる郷」のメンバーからは「メンバーだけでは出せない量を出荷することができました!頑張ってくれたね~!」との嬉しいお言葉もいただきました。無事に、仙台のマルシェに向けて美味しい野菜を出荷することができました。
<日差しにも負けず、大根、ラディッシュ、リーフレタスをつぎつぎと収穫!声を掛け合いながらチームプレイで作業を進めました>
Bチームは、リーフレタスの定植(植え付け)と、液肥(えきひ※栄養剤)散水作業を行いました。「幸満つる郷」では最適な定植時期をコントロールするため、苗床を育苗ハウスで大切に育てています。社員たちも「なぜリーフレタスも苗から育てるのですか?」などと、興味津々の様子。苗床の定植では植え付けたリーフレタスの小さな苗に土をかぶせていきますが、作業が進むにつれて土が被っていない箇所もちらほら。メンバーから再度レクチャーを受け、その後は丁寧な手つきで完璧に作業を進めていきました!
作業の途中で、松島基地のブルーインパルスの飛行訓練に遭遇!「すごーーーい!」「空に描いてほしい~~!」と歓声があがるなか、なんと目の前で「星」が描かれ、テンションは最高潮に!続いての液肥散水作業では、液肥の役割「土との密着度を高めて根付きを良くし、苗を元気にするため」をメンバーに教わりながら、じょうろを使い一つひとつ丁寧に苗にかけて無事に作業完了!赤と緑の2種のグリーンレタス約1,000個分の定植をやり切りました!
<差し込む日差しのなか、苗を育苗トレーからひとつづつ外し、苗箱に並べててきます/ブルーインパルスの訓練に遭遇!>
Cチームは、人参の種まきを担当。まずは、畑の土を細長く盛り上げた栽培床である畝(うね)面を平らにならし、表面をシートで被う「マルチシート張り」に挑戦!農作業経験者でもマルチシートをたゆまずに綺麗に貼るのは至難の業。やり方の説明を受けたあとは、チーム内でシートをひっぱって抑える、土をかぶせる、誘導するなどの役割分担を行い、実際の作業を行いながらどうしたら綺麗に貼れるか知恵を絞り、声を掛け合いながら微調整をはかっていきました。その出来栄えは、先輩社員が「超上手!!!」と感嘆の声をあげるほど!
続いて、人参栽培は“種まき”で決まるといわれるほどの大切なパートにも挑戦!4列の穴それぞれに等間隔で必要分だけ種をまく緻密な作業にも最後まで集中力をきらさず、丁寧に行っていました。仕上げに10リットルも入る重たいじょうろで水を散布し、作業が完了!最後は、作業を指導していただいた先輩社員たちと記念写真を撮影し、東京の帰路へとつきました。
■実習での学びを活かし、社会貢献活動を提案!~研修振り返り発表会~
東京に戻り行われた研修振り返り発表会では、実習で得た学びを活かし「KDDIエボルバで新たにできる社会貢献活動」をテーマに、3チームが発表を行いました。
震災伝承館で学んだ自然災害による影響や地域住民の実体験を通じ「より良い防災対策につながる社会貢献」をミッションに掲げ「ハザードマップアプリ」の提供と、災害時に住民と市区町村とをつなぐ「コンタクトセンター」を組み合わせ、災害時の安全性を高めるソリューションを提案したチームや、仙台センターでの防災への取組みと、実習で体験した震災を後世に伝承する取組みから着想を得て、社内や企業向けに防災講習の実施を提案したチーム。
「幸満つる郷」の規格外で出荷ができない野菜を活用し、缶詰にすることで、震災復興伝承館で学んだ、災害時の備蓄・食糧問題を解消する提案など、どのチームも実習での気づきや学びをしっかりと振り返り、災害時の困りごとを解決し、よりよい未来につなげるオリジナリティあふれた社会貢献活動の提案がありました。
<研修も終盤!資料作成やプレゼンテーションスキルもかなり上達しています/質問も多く挙がり、そこから新たなアイディアにつながるなど闊達な議論が繰り広げられていました>
実習では同じ体験をしていても、感じたことやそこから得た課題感、実現したいこともチームによってさまざま。この多様な感性とチームで一つのことを成し遂げる力がこれからのKDDIエボルバの発展にさまざまな可能性をもたらすことが感じられる、素晴らしい発表会となりました。
■「幸満つる郷」の農作業体験、企業見学について
「幸満つる郷」は、東日本大震災で大津波被害を受けた宮城県東松島市にある野蒜(のびる)にあります。復興支援の想いをカタチにするため「笑顔を大切に」をスローガンに掲げ、地元の障がいのある方々、アクティブシニアの方々を社員に迎え、無農薬にこだわった農産物栽培や、地域活性化、緑化再生などさまざまな取組みを通じて、地方創生に貢献しています。
そんな「幸満つる郷」では、「ノウフク連携の現場を見てみたい」「身体・知的・精神のさまざまな特性をもつ社員が一同に活躍できている職場は珍しい、工夫を知りたい」「企業での一般就労、正社員雇用について詳しく知りたい」というリクエストに応えて、これまでに50社以上の企業様が見学にお越しになりました。見学をご希望の企業様がいらっしゃいましたらご相談ください。(ご相談窓口:hms-saiyo@altius-link.com )
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●KDDIエボルバは、豊かなコミュニケーション社会の実現を目指すSDGs活動として、障がい者雇用と地方創生を通じた東松島市の自然再生・まちづくりに取り組んでおります。