沖縄セルラー電話株式会社（本社：沖縄県那覇市、代表取締役社長：菅隆志、以下 沖縄セルラー）および、株式会社アサイアン（本社：東京都港区、代表取締役社長：丹羽啓晋、以下 アサイアン）ならびに、株式会社KDDIエボルバ（本社：東京都新宿区、代表取締役社長：若槻肇、以下KDDIエボルバ）は、多様化するライフスタイルや、家庭環境によって変容するライフサイクルに合わせた柔軟な働き方を求める求職者が多い地方の雇用推進と、企業の人材確保を目的としたプロジェクトを立ち上げ、2023年4月より沖縄県で開始した『遠隔地在住者の「在宅コールセンター／コンタクトセンター」雇用にかかる通信・セキュリティ・人材育成の課題解消』実証をお知らせいたします。
本プロジェクトはアサイアンが企画し、実証は、KDDIエボルバが福岡県福岡市のコンタクトセンターで受託するアサイアンのスマートフォンに関するテクニカルサポート（インバウンドコール）業務において、遠隔地にあたる沖縄県沖縄市・那覇市・浦添市に在住するシングルマザーとWワーク希望者を在宅雇用したトライアルの3か月間で行いました。
■採用難・キャリアプラン構築の課題を子育てと仕事の両立環境「在宅勤務」で解決
本プロジェクトに参加したシングルマザーのKDDIエボルバによるヒアリング調査では、「帰宅時間」「職場と自宅の距離（通勤時間）」「家庭の事情に合わせた勤務時間の柔軟な調整」が子育てと仕事の両立の課題にあがりました。近隣の求人が少なく、通勤可能な距離で就職をしても保育園の送迎や、子どもの帰宅時間にあわせた在宅、急な呼び出しや看護、習い事の送迎などの対応によって長期継続が難しい実態があり、「勤務時間の調整が可能な在宅であれば働ける」ニーズが高いことを確認しました。
このような在宅勤務ニーズに応える「在宅コールセンター／コンタクトセンター」は、柔軟な働き方を模索するひとり親世帯を中心とする就労希望者とのマッチングにつながり、人材不足の打ち手の一つになります。一方で、BPO・コンタクトセンターの在宅化は、機密情報を取扱うお客さま応対に必要なセキュリティ要件を満たす業務設計や在宅環境、人材のスキル要件が求められるため、厳しい制限が課題になるケースがあります。また、自宅のインターネット通信環境やリモートツールの整備、不慣れな電話応対を単独で行うことの本人の抵抗感や不安、孤独感等のメンタルに寄り添うサポート、組織と離れたリモート環境下で未経験から就業するスタッフのキャリアプランの形成も課題にあがります。
本プロジェクトは、これらの課題を3社のリソース・ノウハウ・共創で解決し、在宅勤務ニーズと就労意欲の高い地方在住の「ひとり親世帯」「Wワーク希望者」を対象に、在宅環境と、個人の事情に合わせた勤務時間、未経験者から働ける業務、人材育成を提供することで、企業の長期的な人材確保と求職者の安定就労を実現するものです。
フレキシブルな働き方を求める在宅スタッフは、カスタマーサポート窓口の入電量（繁閑期）に合わせたフレキシブルな人材配置が見込めるため、企業の採用効率とコスト適正化につながるものと考えております。さらに、遠隔地の仕事を「地元に住み続けながら働く」ロケーションの提供は、求職者がより希望条件にマッチングする就労先を見つけやすくなるとともに、多くの地方自治体が取組む雇用促進に寄与し、地方創生に貢献いたします。
＜3社在宅コールセンターの「ひとり親世帯・Wワーク雇用推進」プロジェクト イメージ図＞
なお、プロジェクト体制は、沖縄県の雇用推進と多様性のある働き方の定着促進で地方創生を支える沖縄セルラーが在宅環境に必要なインターネット回線の敷設を実施。本プロジェクトを企画したアサイアンが在宅セキュリティ環境の整備、ナレッジ、単独受電の不安を払しょくする管理者とのコミュニケーションツール導入に加え、オンサイトのBPO・コンタクトセンターと在宅運用のハイブリッドオペレーションをシームレスにマネジメントするUSアシュリオン社のWFM（ワークフォース・マネジメント）※1ツールとノウハウを提供。KDDIエボルバは、沖縄市内で就労支援活動を行う特定非営利活動法人キャリエイト（所在：沖縄県那覇市、以下 キャリエイト）と連携した採用活動および、「在宅コールセンター／コンタクトセンター」の運用実績とノウハウをもとにした雇用・教育・メンタルケアを意識したサポートを提供しています。
また、KDDIエボルバでは、社員一人ひとりが持つ成長意欲とキャリアビジョンを実現するために全国の時給制スタッス向けに提供する独自の検定や正社員登用等のステップアップ制度について、本プロジェクトを通じた在宅スタッフへの展開の検討を予定しています。
■オペレータの声～在宅勤務の「仕事」「働き方」とは
本プロジェクトに参加したオペレータの座談会では、以下の声があがっております。また、「母親が楽しそうに仕事をしていると子どもが感じ取っている」「在宅かつ短時間勤務になったことで他の子ども達と同じ時間に保育園に迎えに行けるようになり、子どもが嬉しそうにしている」など、家族の変化を感じているオペレータもいました。
- OJT講師とオンラインをつなぎ、チャット指示を受けながらオペレーションを行えたため、細かな所作を理解し、お客さま応対をスムーズに進めることができた
- 子育てをしながらオンサイトでフルタイム勤務は難しいと感じていたため在宅勤務できる環境がありがたい。育児と仕事の両立だけではなく介護や通勤困難者などにも、需要の高い働き方だと感じる
- キャリアへの目標を立てられるようになった。在宅勤務が働きたい女性の人生の選択肢の幅を広げると感じている
３社は、今後、規模を拡大した全国の地方在住の「ひとり親世帯」「Wワーク希望者」の雇用推進モデルの創出を検討してまいります。
- 1. WFM（ワークフォース・マネジメント）は、コールセンター／コンタクトセンターにおいて「スケジューリング」「予測」「人材配置」「スキル管理」「オペレータ支援」等を行うツールで、サービスの品質や生産性と人件費の適正化の両立を図るマネジメントを実現します。
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