アルティウスリンクでは、現在600名以上の障がいのある方が、コンタクトセンターをはじめとした全国各拠点で活躍しています。社員やスタッフとして入社に至ったきっかけは、公式サイト内の募集広告やハローワークでの紹介など人それぞれ。
今回は、障がいのある方に特化した就労移行支援事業所の入所を経て当社に入社した社員が、OB・OG相談会に登壇し、現在の入所者に向けて自身の就職活動や就業状況を伝えた模様をレポートします。
■自分の特性を深く知り、言語化して周囲に伝えることの大切さ
OB・OG相談会を開催したのは、atGPジョブトレIT・Web 船橋様(以下、ジョブトレ)です。ジョブトレは、障がい者のための IT・Web就労移行支援サービスを提供しており、“安定就労”と“活躍する”ためのトレーニングと就職サポートを首都圏中心と大阪で行っています。この相談会での登壇は、現在の入所者が行っている学びや自己理解がどのように就職先と結びつくのかを、先輩である米田さんがリアルに伝え、イメージしやすくなるようにとオファーいただきました。
<atGPジョブトレIT・Web船橋の西尾さん(左)と井上さん(右)に囲まれて。米田さんは入所時の思い出も語りながら登壇しました>
登壇した米田さんは、2022年の10月にジョブトレへ入所し、Webデザイナーになるためのスキル習得に励むなか、5か月後の2023年2月より就職活動を開始しました。職種に関係なく受けた面接は16社。さまざまな企業の面接を受ける際に、準備不足や緊張と焦りで上手くいかず落ち込むこともあったそう。その後、キャリアコンサルタントへの相談や就職・転職イベントへの参加を経て、2023年8月にアルティウスリンクへ入社しました。
米田さんの担当業務は、社内の事務代行や印刷を行う部署で印刷をメインに、PCスクリーンセーバーや社内報など社内で利活用する発行物のデザインを行っています。
<米田さんのとある1日。社内に掲示するポスターやパンフレットの印刷を担当しています>
現在、日々の業務を順調に行っていますが、安定的に就業できるように気を付けていることも紹介。自分の特性を深く知り、言語化して周囲に伝えることが重要であると伝えました。例えば、休憩の取得については、ペース配分が苦手かつ過集中によって疲労を溜めてしまう特性があることを理解し、かかりつけ医のアドバイスを受けて休憩のタイミングとルールを管理者と共に決定、アラーム付きのタイマーで管理していることを紹介しました。音が鳴ることで過集中によって自身で管理できない場合にも、管理者が気づき、声掛けできる協力体制にしています。また、業務とその日の疲労度を紐づけて日報に記し、適切な業務ペースをつかむことも行っています。このように自分自身を知り、言語化することで周囲の協力も得られやすく、体調の安定を図り長く働き続けることができると伝えました。
<自己理解のツールとしてマインドマップを紹介。ツールも自分に合ったものを見つけるのが良いと伝えました>
最後に、「不安や困りごとは誰にでもあり、それぞれ違います。できることから一つずつ地道に行動していけば良い方向に変化します。周りを頼りながら、無理せず頑張っていきましょう!」とエールを送りました。
■「意欲的に長く働き続ける」ために私たちが考える居心地の良い職場とは
続いてのパートでは、米田さんの上長である事務サポートユニット長の村上さんが当社の障がい者雇用の近況と職場について紹介しました。アルティウスリンクに勤務する障がいのある方の所属部署の割合は、コンタクトセンターなどの基幹ビジネスの部署が8割、障がい者専門部署が2割(さらに特例子会社・株式会社ビジネスプラスも別に運営)であり、専門部署を設けている理由に、業務内容や範囲を特化することでコミュニケーションが得意でない方や多くの人のなかでの就業が難しい方でも活躍できることを挙げました。
また、サポート体制のさまざまな取り組みも紹介。そのなかで、事務サポートユニットが行っている「わたしのトリセツ」は、自分の紹介文を取扱説明書に見立て、発表・掲示する取り組みであり、前述で米田さんが伝えた「自分の特性を深く知り、言語化して周囲に伝えること」が、仕事をするうえでも必要であると紹介し、さまざまな方が活躍できるよう工夫している職場であることを伝えました。
<ほかにも実施している取り組みの一例>
全社で行っているサポート体制 | ① 12拠点に45名の障害者職業生活相談員 ② 200名近い精神・発達障害者サポーター ③ シチュエーション別ケーススタディ講座や事例集の展開 ④ 通院休暇制度の設置 |
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ユニットで行っているサポート体制 | ① 月1回の業務習得面談 ② 3か月ごとの行動評価面談 ③ 契約更新ごとの面談 ④ 本人申告による面談(適宜) ⑤ 「わたしのトリセツ」の作成・紹介 |
さらに、障がいのある先輩社員が、障がいのある新人社員の業務習得と会社生活をサポート・育成するチューター制度について紹介。
新人社員に決まったチューターがいることで、安心感を持って業務を習得し、会社生活を送ることができ、定着率の向上につながるほか、チューター自身も業務レクチャーやその他サポートを通して、自身の成長に繋げられ、仕事への意欲が高まり、モチベーション向上に寄与していることを伝えました。
<これらの取り組みが評価され賞を受賞。ニュース番組や新聞に取り上げられたことも紹介しました>
第10回 GOOD ACTIONアワード『Cheer up賞』受賞
意欲的に長く働き続けることは、障がいの有無に関係なく、簡単なことではありません。お互いを理解し、自分にできることを日々行い、協力し合うことで居心地がよく、働きやすく、「明日もまた会社に来たい」と思える職場作りに今後も努めてまいります。
<登壇の終わりにジョブトレ船橋ご関係者様、事務サポートユニットの皆で記念撮影>
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