昨年に続き、今年もアルティウスリンクの農産物栽培拠点「幸満つる 野蒜農園」で新入社員の宿泊研修を実施。当社事業とダイバーシティへの理解を深めると共に、同期内の連携を更に強固にする機会となっています。今年は、総合職の新入社員が5グループに分かれ1泊2日の実習で体験したことを元に、当社として実現可能な社会貢献活動を提案する研修発表会が行われました。
■ 東松島市の震災の記録と復興の歩みから、未来の災害への備えを学ぶ
「幸満つる 野蒜農園」は、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県東松島市の野蒜(のびる)地区にあります。
宿泊研修1日目は、仙台センターを見学後、「幸満つる 野蒜農園」のほど近くにある「東松島市震災復興伝承館」を見学しました。「東松島市震災復興伝承館」は、東日本大震災の被害記録と復興の歩みを後世に伝えるための施設。展示された被災時刻を指して止まった時計や、津波で壊れた旧野蒜駅の券売機などが被害の様子を物語っています。津波襲来時の状況や市民の避難行動などをまとめた記録映像を視聴し、未来の災害に備えるための学びとなりました。
< 「東松島市震災復興伝承館」で展示や映像、震災遺構を見学し、震災の様子を追体験しました >
1日目は施設の見学のほか「幸満つる 野蒜農園」溝江所長からの講話があり、障がい者雇用と地方創生の取り組みが紹介されました。地元の障がいのある方々やアクティブシニアの方々を社員に迎え、農作物栽培を行うだけでなく、マルシェや地域活性化イベントの開催など地域に根差した活動を行っています。社員一人ひとりの個性を尊重し、やりがいを感じて笑顔で活躍できる職場づくりを大切にしていると語りました。
また、IoTやAIを活用したスマート農業を導入することで作物の収穫量と品質アップを実現していると話があり、新入社員はテクノロジーを活用した農業を行っていることに驚いた様子。笑顔を大切にした職場づくりや、ヒトとテクノロジーの融合はコンタクトセンター運用にも通じるところがあり、新入社員の学びとなったようです。
< 「幸満つる 野蒜農園」の取り組み説明では、スマート農業の実践など新入社員の予想を超えるお話も! >
■ 土と触れ合い、人と触れ合う、初めての農作業体験!!
2日目は朝6:30に起床し、朝食を取ったらいよいよ農作業体験です。ジャージに長靴といった作業のしやすい服装に着替えて屋外へ!新入社員のほとんどが農作業は初めてのため、「幸満つる 野蒜農園」の運営スタッフから説明を聞き、事業所スタッフとペアを組んで一緒に作業をしていきました。
最初のAチームは、リーフレタスの定植(植え付け)と玉ねぎのネギ坊主取りに挑戦。最適な時期に定植できるよう育苗ハウスで大切に育てられたリーフレタスの苗床を丁寧に植えていきます。まだ小さな苗をポットから出したら、畝に置き、やさしく土をかける、といった作業を繰り返し、ペアを組んだスタッフと協力してたくさんの苗を植えました!
Bチームは、スイスチャードの定植と、堆肥の散布を行いました。スイスチャードは、赤や黄色、白など色とりどりの茎を持つほうれん草の仲間。普段あまり見ることのない野菜に新入社員の興味も尽きません。
Cチームが行ったのは、玉ねぎの収穫と播種(種まき)。収穫した玉ねぎがたくさん入ったコンテナはずっしりと重く、ペアで協力して運びました。播種作業では、野菜の種類によってまき方を変えます。ラディッシュ、小松菜、チンゲンサイ、こかぶ、水菜、赤からし菜は畝に直まき、空心菜、つるむらさき、ゴーヤはポットに種をまきました。
Cチームには引率として人事本部長も参加!本部長と言えども、しっかりと農作業を行います。レタスに液体肥料を散水するなど、新入社員と一緒に汗水流しました。
Dチームは、カボチャとズッキーニ用にマルチング(土の表面をシートなどで覆うこと)を行いました。黒色のマルチシートは、日光を遮断することで雑草を抑制でき、土壌の乾燥防止や地温の調整効果もあり、野菜栽培の強~い味方。畝の横に溝を掘り、マルチシートを畝に張ったら、飛ばされないようシートの裾を土で埋めていきます。最初は慣れない手つきで農具を扱っていた新入社員でしたが、事業所スタッフからコツを教わり、鍬を振る姿も様になってきました。
最後のEチームは、玉ねぎの収穫とマルチシート張りに加え、南瓜、空心菜、とうもろこし、つるむらさきの定植とバラエティーに富んだ作業が盛りだくさん。事業所スタッフが日頃からこんなにもいろいろな作業を行っていることに、新入社員も感心しきりでした。
1泊2日の宿泊研修はあっという間に時間が過ぎ、新入社員は東京に戻る時が来ました。きらきらした目で新入社員との作業を楽しみ、新入社員と好きなキャラクターの話で盛り上がっていた事業所スタッフは、別れが寂しそうです。事業所スタッフとの交流で、新入社員は自分たちが口にする野菜を生産する大変さや障がいの有無に関係なく協力し合うことを学び、短い時間でしたが密度の濃い2日間となりました。
< 松島基地のブルーインパルスの飛行訓練に遭遇し、上空に「ハート」が描かれるという素敵なサプライズも! >
■ 当社にできる社会貢献活動をチームで考える! ~研修振り返り発表会~
東京に戻った新入社員たちは、宿泊研修での学びを活かして「アルティウスリンクで新たにできる社会貢献活動」をテーマに、チームで話し合い、提案資料を作成して発表しました。
幸満つる 野蒜農園では、仙台でのマルシェを定期的に開催しており、新入社員からは全国に障がい者雇用を広めるために「出張マルシェ&試食会」の提案がありました。フードロスの観点から「キッチンカーでの廃棄野菜の調理販売」といった提案もあり、チームごとにさまざまな視点での提案がなされました。
社員教育を担う人事本部長と社員育成を担う人財開発部長からもコメントがあり、「障がいのある方と触れ合ってどうでしたか?研修室で考えていたこととは、違うこともあったのではないでしょうか。自分の目で見て感じることが大切だと思います。」といった、自分で体験することの重要性が伝えられました。また、「社会貢献活動と利益を出すことの両立は難しいが、そのあたりも考えていて感心しました」といった評価と共に、実現性のある企画にするためには「因果関係をしっかりと整理することが重要」といったアドバイスもあり、新入社員の励みと学びとなったようです。
< 根拠となる数字の提示や、実現可能な事業内容を具体的に考えるなど、プレゼン資料もしっかり作り込まれていました! >
アサーションでメンバーに意見を伝え、広い視野で課題を捉え、論理的に情報を整理し、数値的根拠なども活用して、相手に伝わるようプレゼンテーションするといった、これまでの研修で学んだことをフル活用した総合学習となりました。提案をまとめる過程で苦労したチームもありましたが、それを乗り越えることでたくましく成長した新入社員たち。この2か月での学びを活かして、新入社員一人ひとりが配属地で活躍することを期待しています!
■ 「幸満つる 野蒜農園」の農作業体験、企業見学について
「幸満つる 野蒜農園」は、東日本大震災で大津波被害を受けた宮城県東松島市にある野蒜(のびる)にあります。『笑顔と、一つひとつの「つながり」を大切に、積極的にチャレンジ』をスローガンに、地元の障がいのある方々、アクティブシニアの方々を社員に迎えた雇用創出と、無農薬にこだわった農産物栽培や、地域活性化、緑化再生などさまざまな取り組みを通じて、復興支援の想いをカタチにする地方創生に貢献しています。
「ノウフク連携の現場を見てみたい」「身体・知的・精神のさまざまな特性のある社員が一同に活躍できている職場は珍しい、工夫を知りたい」「企業での一般就労、正社員雇用について詳しく知りたい」というリクエストをいただき、これまでに50社以上の企業様が見学にお越しいただいています。
見学を検討されている場合には、ぜひご相談ください。(ご相談窓口:hms-saiyo@altius-link.com)
●アルティウスリンクは、豊かなコミュニケーション社会の実現を目指すSDGs活動として、障がい者雇用と地方創生を通じた東松島市の自然再生・まちづくりに取り組んでおります。