株式会社KDDIエボルバの地元の障害者雇用と地方創生に取組む農産物栽培拠点「幸 満つる郷(さちみつるさと)KDDIエボルバ 野蒜(以下、幸満つる郷)」が、KDDI株式会社とともに取組み、ミニトマトの出荷量拡大、収穫時期短縮、食味向上など、大きな成果につながったスマート農業の実証結果を、KDDIの「地方創生 (Te to Te)」サイトに掲載いただきました。
「MCPC award 2019 モバイルビジネス賞」受賞や、農林水産省東北農政局「ディスカバー農山漁村の宝」優良事例に選定されるなど、外部機関からも評価をいただいた取組みと成果を、ぜひ、お一読くださいませ。
本ニュースでは、事例に掲載しきれなかった「幸満つる郷」の取組みの一部をご紹介いたします。
自然×技術×人のチカラでつくる「幸満つる郷」の新しいカタチ
美味しいミニトマトを育てるためには、良質な土壌に育つための水分と肥料、太陽からの十分な光、そして、愛情をもって栽培する人の手が必要です。水やり、追肥を自動化するAI/IoT、事業所から少し離れた場所のビニールハウスをモニタリングするKDDIの通信技術、ミニトマトの生育と社員の熱中症対策につながる日照量調整の自動開閉遮光カーテンを導入したスマート農業は、農作業を効率化し、食味向上につながる芽欠きや枝の誘引などの人の手が必要な作業時間確保により、新しい農業のカタチを実現しました。
また、できること、できないこと、時間のかかることなど、人には、得意・不得意がさまざまあります。このたびの実証は、美味しいミニトマトを育てるだけではなく、障害のある社員の働く環境を整え、できることを増やし、先端技術に携わっていることがやりがいにつながるなど「幸満つる郷」にとって、大変多くの意味をもつ取組みとなりました。
糖度最大2.2%UP、美味しさの追求にはノウハウも必要!
芽欠きなどの手作業以外でも、「人のチカラ」が働いた例として、「糖度」への取組みがあります。
IoTで数値化したデータをAIが分析して、水分と肥料を自動供給し、自動開閉遮光カーテンで日射量を調整するなど、管理されたミニトマトにとってストレスの少ない土壌は、「水分も栄養も豊富なふかふかベッド」です。当初、甘味と酸味がほどよい美味しいミニトマトが育つことに期待を膨らませていました。
しかし、苗植えから2週間で1.5~2mに成長、翌月には最初の収穫を迎え、スピード・収穫量に大きな成果を出した一方で、糖度アップに課題が発生しました。これは、花が咲く時期と果実が膨らむ時期に合わせて水分の投入量の微調整が必要になるという知識がAIにはなかったためです。そこで、社員たちが前年までの栽培ノウハウから仮説を立てた水分量を設定し、3か月目でようやく糖度が前年比2.2%アップを実現しました。
お客様に「美味しい」と喜んでもらいたい!そのキモチがすべて
スマート農業開始当時、美味しいミニトマトが皆様の食卓に並ぶ日を願い、育てていこう!お客様に試食していただき、社員みんなでお客様とお話できることを楽しみに取組もう!という想いで栽培、収穫したミニトマト全10種類は、地元量販店や、直売所、au SENDAIでのBLC(ブルーリーフカフェ)マルシェ、復興支援イベントで多くのお客様に試食いただき、「甘みと酸味があって美味しい」「ミニトマトの試食は初めてだけど、こんなに味が違うのね」「バイキングで好きな種類を選べるのが良いね」などの声とともにお買い求めいただきました。
幸満つる郷は、本実証で実現した「経験と勘に依存していた栽培・管理の数値化(データ)」を活かし、2020年度のさらなる収量アップ、品質向上、美味しさへの挑戦につなげるため、AIの学習機能を高める分析と、毎年繰り返すPDCAに丁寧に取り組んでまいります。そして、KDDIグループの共創を強みに本取組みを推進し、安全安心な農産物栽培とさらなる雇用創出、地域活性化を図ってまいります。
●KDDIエボルバは、豊かなコミュニケーション社会の実現を目指すSDGs活動として、ICT活用による農産物栽培の実践による障害者雇用と地方創生、東松島市のまちづくりに取り組んでおります。