障がい者雇用のイメージをつかみませんか？東京しごと財団主催の企業見学会を開催しました

アルティウスリンクでは、現在600名以上の障がいのある方が、コンタクトセンターをはじめとした全国各拠点で活躍しています。その所属する部署は、コンタクトセンターなどの基幹ビジネスの部署が8割、障がい者雇用専門部署が2割（さらに特例子会社・株式会社ビジネスプラスも別に運営）と、コミュニケーションが得意でない方や多くの人のなかでの就業が難しい方など、基幹ビジネス部署での就業が難しい方でも活躍できるよう、専門部署を設けて環境を整えてまいりました。

2021年より都民の雇用・就業を支援する専門機関である公益財団法人 東京しごと財団から障がい者雇用に先進的に取り組んでいる企業としてオファーいただき、これから障がい者雇用に取り組む企業や団体に向けて、当社の工夫や事例を持ち帰り、障がい者雇用のイメージをつかんでいただくことを目的にした企業見学会を開催。
その模様をほんの一部ですがレポートします！

はじめに、障がい者雇用を実現するために行っている会社全体の取り組みを簡単にお伝えしました。

【アルティウスリンクにおける障がい者雇用の取り組み・制度】

【障がい者雇用専門部署の紹介】
アルティウスリンクは、全国4か所（札幌、山形、東松島、新宿）に障がい者雇用専門部署を設置しており、事業所ごとに行っている取り組みは異なります。

広い業務スペースが確保できる地方では農作業や植栽を行い、ビルでの勤務が多い都市圏ではビル清掃や印刷、事務・庶務というようにエリアやスペースに応じた業務を行っています。

今回の見学会では、新宿の事業所で印刷と事務・庶務業務を行う事務サポートユニットをご紹介しました。

事務サポートユニットは現在、3つのチームに分かれて業務を行っています。各チームがどのように業務を行っているが実際に業務風景をご覧いただきながら業務スペースを紹介しました。

事務・庶務チームの業務は月の定例業務が85種類、年間のスポット業務が約120種類あります。これらの業務を円滑に行うためには、作業のスケジュール管理が重要です。そのため、毎月の定例業務はスケジュールをカレンダーにして印刷して掲示。空いている日にスポット業務を請け負います。また、日々の業務振り分けは小さいホワイトボードで管理。毎日の朝礼で割り振られた作業を終えた後、次の作業が目視で確認できるほか、欠務があった場合の業務変更もスムーズに行え、全体把握がしやすい運用です。

見学の後は会議室へ戻り、紹介した職場づくりを実践するために行ってきた取り組みを紹介。安定した業務量を確保するための社内営業や業務を遂行するための基盤作り、一人ひとりの気持ちに寄り添った面談に向けて定期実施しているロールプレイングなどをお伝えしました。

• 業務確保に向けた社内営業
  安定した業務量を確保しなければ、安定した就業ははじまりません。立ち上げた当初の2016年から、社内で多忙かつ残業が多く発生している部署に働きかけましたが、業務難易度の高さが障壁となるため、提案方法を変更。毎月発生する工数の多い作業のピックアップを依頼しました。その作業を工程別に分け、代行可能な部分を判別。その部分から少しずつ代行を開始しました。しかし、作業の確認や納品確認など別の工程が発生するため、大きく業務負担が軽減されず、全工程を引き受ける必要を感じました。業務すべてを代行することが難しいとされる背景には、業務を行う上で、必ずどこかのステップで「判断」することが発生するからです。それをクリアするために、判断基準を依頼部署の担当者から管理者がレクチャーを受け、マニュアルを整備。双方の確認を経て、全行程の引き受けが可能になりました。このような繰り返しが信頼を育み、業務量の確保につながりました。
• 業務の遂行するための基盤作り
  マニュアルの整備については、最初は管理者のみで行っていたものが、途中からはメンバーがすべて作成できるようになりました。また、抜け漏れを防ぐ軽作業用の工程表の運用なども取り入れてきました。
  そして、最も重要なことは仕事の精度。障がい者の部署だからといってミスが多いと思われないために、徹底したWチェック体制を引いて精度を担保。それにより、本当の意味での戦力として貢献しています。
• 面談のロールプレイング
  定期的な面談だけでなく、本人が希望するタイミングでの面談や日常の会話など、スタッフとの会話すべてがサポート体制につながります。そのため、適切な面談ができるよう、毎月、管理者同士でロールプレイングを実施。カウンセリングの手法を取り入れ、気持ちに寄り添った会話で悩みの原因を整理し、自ら前向きな気持ちになれるアプローチの習得を心がけています。１回の時間は1人あたりロープレが15分、参加者全員からのフィードバックが15分の30分。なるべく実践に近い環境でロールプレイングを行います。また、結果はスコアシートで共有。「話し方」「事実確認」「キャッチボールのズレ」などの項目で自身の課題を見つけ、次に活かせるように全員で研鑽を積んでいます。

そのほか、障がいのある先輩スタッフが新人を育成する「チューター制度」にも紹介。チューター関係にある先輩後輩のモチベーション向上だけでなく、周りのスタッフが「チューターになりたい」と積極的な姿勢を見せるなど副次的な効果についても紹介しました。

１時間30分という短い時間の間でしたが、事業紹介、見学、取り組みについてご紹介しました。ご参加いただいた企業のご担当者様のアンケートでは、今後の取り組みに参考になるとご回答いただきました。

＜ご参加いただいた方のアンケート（一部抜粋）＞

• 想定をはるかに超えるノウハウを紹介いただき大変参考・勉強になった
• 管理者が毎月面談ロープレを行い、障がい者を支えるための努力をしていると知って驚いた
• 障がい者雇用のためのチームとしてどう動いているのか、導入時の業務の切り出し方など非常に参考になった

アルティウスリンクは、今後もDE&I（ダイバーシティ・エクイティ＆インクルージョン）を推進するとともに、スタッフの活躍や職場の取り組みを発信してまいります。