総合職として入社し早くも半年が経過した新入社員は、それぞれの配属先で日々奮闘しています。そんな新入社員が、長期に渡りスムーズにキャリア形成していけるようフォローアップ研修を実施。仕事をしていく中で生じるさまざまな課題や困難な局面を乗り越え、大きく成長していくために、「レジリエンス(精神的回復力)」を学びました。
< 4月の新入社員研修に続き株式会社ログシーの講師が登壇! 「レジリエンス」について教わりました >
■ 「レジリエンス」を身につけ「自責サイクル」を回していくことが成長につながる
新入社員として最初の一年は、期待と不安が入り混じる特別な時期です。新しい環境や業務に慣れていく過程で、さまざまな困難やストレスに直面することは避けられません。根性論だけで無理に立ち向かっては心が折れてしまうかもしれず、ひどく落ち込むような経験は新たな挑戦への妨げとなり、今後の成長も難しいものとなってしまうでしょう。そうならないためには、冷静に物事を受け止め、どうしたら良いか柔軟に考える「しなやかさ」が必要です。新入社員がこの先ストレスとうまく付き合い、困難を乗り越えるための「レジリエンス(精神的回復力)」を身につけるためのフォローアップ研修を行いました。
< 半年ぶりに同期と揃っての研修を受ける貴重な時間。意見交換でも会話が弾みます! >
4月の新入社員研修では、社会人としての「マインドセット」や「ロジカルコミュニケーション」を学びましたが、その後、配属先でそれらを使ってうまく仕事を進めることができたのでしょうか。うまくいったのは2割程度で、8割はうまくいっていなかったというのが実情。理想と現実のギャップ、不慣れなビジネスコミュニケーション、自己管理の難しさなど、さまざま壁があったようです。
ですが、これらの壁にぶつかるときこそが成長のタイミング! ここで成長につなげるために必要になるのが「自責」することだと講師から説明がありました。「自責」とは、うまくいかなかったときに、原因を検証し、改善につなげるといった適切な「反省」をのこと。この自責のサイクルを回すことで成長していくことができます。反対に、失敗したり、注意されたりしたときに、へこむ、ムッとする、やる気を失うなどの「反応」に終始していては成長は望めません。
新入社員のアンケート結果を見ると、ほとんどが「自責」として考えられていましたが、お客様対応で「反応」してしまい「他責」となっている人もいる様子。今回の研修を通して「自責」で考えられるよう、うまくいかなかった出来事について捉え直しを進めていきました。
< うまくいかなかったときに「自責」できているのか、自己を省みながら話を聞きました >
■ 「べき」論を柔軟にコントロールすることで、ストレスとうまく付き合う
「自責サイクル」を回すために、まずは自分の感情傾向を把握する必要があります。各自キャリアラインチャートを作成して入社から半年間を振り返りました。仕事の充実度(満足度)の上がり下がりをチャートに表し、そのときの感情を書き出すことで、自分にとってのストレス要因と反応が見えてきます。グループでチャートを元にお互いの傾向をディスカッションしました。
< 山あり谷ありの「キャリアラインチャート」、上り下がりのポイントは千差万別です >
ストレスとは外界からのあらゆる刺激のこと。自身に降りかかる出来事すべてをコントロールすることは不可能ですが、それに対する自身の捉え方をコントロールすることによって、結果的に生じる感情、行動、対応を自分のプラスになる方向へ変えていくことができるといいます。物事の捉え方や価値観は人によって「こうあるべき」といった傾向があり、自分の「べき」論に沿わないことにはマイナスの感情や反応が生じがちなもの。そのため、多様な視点を知り、捉え方の幅を広げ柔軟にすることが大切です。部の方針や上司の役割、クライアントの期待値など、それぞれの視点で考え、自分の「べき」論をで見ていた物事を捉え直していきました。
< 立場や状況で、同じ物事も見え方が変わります。いろいろな立場での捉え方について意見を出し合いました >
< お昼休憩を挟み、プチヨガでリラックス。気持ちを切り替えて研修再開です! >
■ レジリエンスの6つの要素とケーススタディから対処の仕方を学ぶ
午後からは、うまくいかない局面での対処方法を、ケーススタディを交えて具体的に学んでいきました。
レジリエンスには6つの構成要素があり、これらを意識して高めていくことでうまくいかない局面でもしなやかに回復できるといいます。ストレスと要因が発生すると気持ちは大きく下がりますが、その際に、まずは自分の感情や思考を正しく認識し、物事に対して瞬発的に反応しないよう自分を制御すること。これが、レジリエンスの「自己認識」と「自制心」で、最初に冷静に受け止めることが肝心です。そのうえで、多面的・大局的な視点で根本原因を考え(レジリエンスでは「精神的敏捷性」といいます)、自分にできることがあると「楽観性」をもって模索します。そして、やればできるという「自己効力感」をもって一歩踏み出すこと。このとき、自分一人ではないという他者との「つながり」を信じて応援を感じることも、レジリエンスの一つで大切な要素だと説明がありました。
カスタマーセンターでの実際のお客様対応の体験談を元に、どのようにレジリエンスを発揮していったのかを場面ごとに学びを深めることで、新入社員も自分に重ねて考えられた様子。最初はお客様の言葉にマイナスの反応を示してしまっていた人も、少し多面的・大局的な視点で物事を見られるようになっていました。
< 「レジリエンスの構成要素」ログシー講演資料より >
■ 上司からの期待値を知り、成長するために力を注ぐべき第2領域を考える
うまくいかない局面での対処法を学んだところで、いよいよ自分の課題に具体的に向き合っていきます。新入社員それぞれの上司が新入社員に期待することを事前にコメントした書面が配られました。上司からどのように見られ何を期待されているのか、日頃1on1などで聞いていたようなことも改めて書面で伝えられると気持ちも引き締まります。思っていた以上に認めてもらえている点もあれば、今後を期待する改善点など、新入社員一人ひとりに上司から届けられたメッセージに研修の場も色めき立ちました。
主体性やチャレンジ精神などの「前に踏み出す力」、論理的思考や創造力などの「考え抜く力」、コミュニケーションや協調性などの「チームで働く力」など、社会人として活躍するための基本的な12の項目があり、自分にとって課題となるのはどの項目なのか。上司からの期待値を参考に、重要性と緊急度から4象限で自分が今後注力すべき第二領域を特定し、ロジックツリーを使って、さらに課題と対応策を具体化していきました。
< 今後の自分の課題と具体的なアクションをチームメンバーからアドバイスをもらいながら考えてきました >
今回の研修では「レジリエンス」を学びました。「ストレスは環境変化によって必ずかかるもの。自分の心を特定の価値観で締め付けず、ゆとりを持って『自分事』ではなく『自分たち事』として考えてほしい。感情に蓋をするのではなく認識したうえで、冷静に今自分にできることを行っていくことで皆さんはもっと成長できます」と講師から励ましの言葉がありました。
新入社員からは、研修を受けて以下のような感想が聞かれました。
- 半年間の振り返りができ、今の自分に何が足りていないのか、今後どう行動していくべきなのかを考えることができた。
- 同期と久しぶりに会え、アンケートから4月の自分との比較ができ、仕事の環境が変化したことによってどう変わったかなど色々フィードバックをもらい理解できた。
- 自分の変えるべきこところや性格に合ったストレスへの対処法を知ることができた。
- レジリエンスという言葉に聞き馴染みもなく、意味も全く分かっていなかった。モチベーションが下がっているときやストレス状態の時に活かせるもので、現在の小学生にも意識させるようになっていることに驚きを感じた。私自身の感情や気持ちの状態でうまくいったり反対に全くうまくいかなかったりすることが社会人として良くないことだと認識しつつも、自分ではどうしようもできていなかったので、とても勉強になった。
変化の早いこの時代、しなやかに適応する力を得ることで、新入社員が生き生きと働きキャリアアップしていくことを願って今回の研修が行われました。入社2年目以降も、面談やOJTレポートなどさまざまな施策で新入社員の成長を支援していく予定です。それぞれの配属地で日々の業務に取り組んでいく中で、うまくいかないことが多々あったかと思いますが、同期とのつながりもその助けになることでしょう。伸びしろたっぷりの新入社員と共に、当社もさらなる成長を目指していきます。
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