アルティウスリンクでは、現在600名以上の障がいのある方が、コンタクトセンターをはじめとした全国各拠点で活躍しています。その所属する部署は、コンタクトセンターなどの基幹ビジネスの部署が8割、障がい者雇用専門部署が2割(さらに特例子会社・株式会社ビジネスプラスも別に運営)と、コミュニケーションが得意でない方や多くの人のなかでの就業が難しい方など、基幹ビジネス部署での就業が難しい方でも活躍できるよう、専門部署を設けて環境を整えてまいりました。
東京(新宿)を拠点とする「事務サポートユニット」は、社内の事務・庶務業務の代行や印刷、社内便の業務を行っています。2016年のユニットの立ち上げから現在に至るまでさまざまな取り組みを行っているほか、障がい者雇用に取り組む企業に対し見学会も開催しています。この度、取り組みを紹介する2つのイベントにオファーをいただき、ユニットを代表して村上ユニット長が登壇した模様を鳥取の前後編と東京編の3回にわたってご紹介します!
<左:とっとり就労支援フォーラム(鳥取)/右:キャリア自律イベント(東京)>
■雇用ではなく活躍を目指して~とっとり就労支援フォーラム2024~
一つ目の登壇は、「とっとり就労支援フォーラム2024」の基調講演としてお招きいただきました。
このフォーラムは、鳥取県と障害者就業・生活支援センターくらよし、障がい者職場定着推進センターくらよし が主催となり、障がいのある人の就労支援のあり方などを学び、一人ひとりの働きたい想いをかなえられる地域を実現することを目的として開催され、約70名の方にご参加いただきました。
<約2時間の講演でしたが参加者の熱いまなざしに会場が包まれました>
この講演では、当事者やそのご家族、障がい者雇用に取り組む企業に向けて障がい者雇用促進の参考となるようユニットの立ち上げの歴史や行ってきた取り組み事例を紹介。前半パートでは、従業員の活躍を目指すうえで雇用する側の企業の立場で大切にしてきた取り組みを紹介しました。
- 「手帳保持を安心して申告できる環境」を冒頭で紹介
講演の冒頭、企業説明をするなかで障がい者手帳を所持している従業員の申告状況について説明しました。特にお伝えしたい点として、「所持している人全体の44%が入社後に手帳の所持を申告している」こと。一般的な企業が2~3%であるのに対し、とても高い割合だと企業の障がい者雇用に関する相談・支援などを行う中央障害者雇用情報センターからも報告を受けている旨を紹介しました。
この背景には、障がい者専門の相談窓口の設置や通院休暇制度の取り組みを通し、従業員が「手帳を所持していることを会社に伝えても不利益にならない、働きづらくなることはない」と実感していることの現れだとしました。 - 業務を数値化し貢献度を社内へ発信
続いて、業務開始時よりすべての業務を数値化していることを紹介。その背景には、社内業務の代行という特性上、会社への貢献度が見えづらくなりがちであること。また、企業視点で障がい者雇用を見たときに法定雇用率達成に重きが置かれないよう、業務として確かに社内に貢献していることを可視化し、一つひとつの取り組みが成果として現れていることを誰が見ても分かるよう社内へ発信することが重要であるとしました。さらに、作業時間を「業務貢献時間」と名付けたことでメンバーの貢献意識を高める良い影響もあったことも伝えました。 - 採用基準は「就業意欲」と「自己理解」の2つのみ
過去には社会経験やビジネスマナーといった “よくある面接”を行ってきたと振り返りました。無意識に一般的な面接という枠のなかで捉えていたとし、その結果、求職者とのアンマッチが発生していたことを伝えました。一般的な面接の視点を手放せなかった理由は「管理するうえで楽をしたかったのでは?」と気づきを得られ、現在の採用の軸が「就業意欲」と「自己理解」の2点だけでだと紹介しました。「家計のため」や「社会とつながりたい」など理由に関わらず就業意欲の有無に比重を置いているほか、自己理解が重要であることに言及。障がい特性を受け入れ、自身の得意・不得意をしっかり企業に伝えたうえで就業を目指すことが企業のサポートを受ける点でも大切だと伝えました。
事務サポートで勤務する従業員に「やっと自分らしく働ける場所を見つけた」と言葉をかけられることがありますが、そう思ってもらえるサポートをするのが私たちの仕事であると次のパートにつなげました。
次回は、鳥取後編として「活躍につなげる3つの柱」をご紹介いたします!
また、障害者就業・生活支援センターくらよしの公式サイトでも講演の様子をご覧いただけます。
アルティウスリンクは、今後もDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進するとともに、従業員の活躍や職場の取り組みを発信してまいります。